The Journal of Toxicological Sciences
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Cefodizime sodiumの生殖試験 : マウスにおける妊娠前および妊娠初期静脈内投与試験
赤池 雅司北谷 照雄高山 和男小林 孝好
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1988 年 13 巻 SupplementI 号 p. 177-190

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抄録
THR-221の300, 1000, 2000および3000mg/kg/dayを, 一群24例の雌雄マウスに, 雄には交配前9週間および交配期間中, 雌には交配前2週間より交配期間中を通して妊娠6日目まで投与し, 親動物の生殖能および胎仔への影響について検討した. 1. 雄は, 対照群, 2000および3000mg/kg/day投与群でそれぞれ1, 2および1例が死亡し, 雌は3000mg/kg/day投与群で5例死亡した. また, 雄の3000mg/kg/day投与群では, 投与部位の炎症性変化が認められた. 2. 雄の3000mg/kg/day投与群で腎重量が, 2000および3000mg/kg/day投与群では脾臓重量が対照群と比べてそれぞれ高く, また3000mg/kg/day投与群の胸腺重量が低い傾向にあった. 3. 交尾率, 妊娠率は対照群と差がなく, 生存胎仔の体重, 体長, 胎盤重量, 性比は対照群と各薬物投与群間で差がなく, 外表, 内臓, 骨格観察においても本化合物に起因すると考えられる異常はみられなかった. 以上のことから, THR-221の親マウスへの無影響量は1000mg/kg/day, 胎仔に対しては3000mg/kg/dayと推定される.
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© 日本トキシコロジー学会
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