抄録
THR-221の0, 300, 1000および3000mg/kg/dayをマウスの周産期および授乳期に静脈内投与して, 母獣および出生仔に及ぼす影響を検討した. 1. 母獣に対して, 3000mg/kg/day群で投与開始初期に体重増加抑制傾向と摂餌量の有意な低下がみられた. その他に, 著変はみられなかった. 2. 出生仔に対して, 雌3000mg/kg/day群で哺育期に一時的な体重の有意な低下がみられた. また雄3000mg/kg/day, 雌1000mg/kg/day群以上で, 生後70日以後に行った器官重量測定において, 脾重量あるいは重量比が有意に低下していた. その他の発育, 行動, 生殖能力等に著変はみられなかった. 3. 以上より, THR-221の無影響量は母獣に対しては1000mg/kg/dayであり, 出生仔に対しては300mg/kg/dayであると推定された.