The Journal of Toxicological Sciences
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Cefodizime sodiumのウサギにおける腎毒性試験 : 単回および7日間連続静脈内投与試験
森岡 浩矢島 隆二稲津 水穂小林 孝好坂口 孝
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1988 年 13 巻 SupplementI 号 p. 329-360

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抄録
THR-221をウサギに単回および7日間連続静脈内投与した時の腎臓への影響について, Cefazolin (CEZ)およびCephalothin (CET)を対照物質として比較検討した. 単回投与試験において, THR-221およびCETは1800mg/kgの高用量を投与しても特に腎毒性作用を示さなかった. しかしながらCEZでは600および1800mg/kgの両投与群において血清尿素窒素量, クレアチニン量の上昇および血中PSPの停滞がみられ, 明らかに腎機能低下を示唆する所見が認められた. さらに病理学的検索においても, 肉眼的に腎臓の白色化を示し, 組織学的にも腎障害を示唆する近位尿細管上皮の壊死, 硝子円柱および石灰化が観察された. 7日間連続投与試験においてもTHR-221およびCETは600mg/kg/dayを投与しても腎毒性作用を示さなかったが, CEZ投与群では, 単回投与時と同様の腎機能低下を示唆する所見ならびに腎臓の器質的障害像が観察された. 以上の結果より, THR-221をウサギに静脈内投与した時の腎臓への影響は, CEZよりも明らかに弱くCETと同等と考えられた.
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© 日本トキシコロジー学会
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