日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
今月の症例
東日本大震災後にヘドロ粉塵吸入により発症したと思われる器質化肺炎の1例
詫磨 裕史矢満田 慎介佐藤 ひかり花釜 正和小林 誠一高橋 徹上田 研広海 亮矢内 勝
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 101 巻 8 号 p. 2307-2309

詳細
抄録
大災害後には,様々な呼吸器疾患が生じうることが知られている.今回,我々は東日本大震災後に被災地沿岸部で津波堆積物(ヘドロ)を含む粉塵の吸入を契機に,器質化肺炎を発症した症例を経験した.症例は58歳男性,津波堆積物の中でマスクをせずに復旧作業に従事していたところ,呼吸困難と咳嗽が出現し当院を受診した.抗菌治療に反応せず,胸腔鏡下肺生検にて器質化肺炎と診断され,ステロイド療法にて治癒した.
著者関連情報
© 2012 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top