抄録
雌雄ラットにTAZ/PIPC 200, 400, 800 mg/kg/dayおよびTAZ40, 80, 160mg/kg/dayを6ヵ月間腹腔内投与し, その反復投与毒性ならびに回復性について検討し, 以下の知見を得た。1. 投薬および回復期間を通して, TAZ/PIPCおよびTAZ投与に起因した死亡例はみられず, 生存例の一般状態の観察では異常はみられなかった。2. 摂餌量では, TAZ/PIPCおよびTAZ投与の雌雄で用量反応性のない増加がみられ, TAZ/PIPC 800 mg/kg/day群の雄で体重の増加抑制がみられた。3. 血液学的検査では, TAZ/PIPC 800 mg/kg/day群の雌雄で, 赤血球系の減少および網状赤血球の増加がみられ, TAZ80, 160mg/kg/day群の雌で, 網状赤血球の増加がみられた。4. 血液生化学的検査では, 中性脂肪の減少が雄のTAZ/PIPC 800 mg/kg/day群およびTAZ 160 mg/kg/day群でみられた。5. 尿検査および眼科学的検査では, 著変はみられなかった。6. 剖検では盲腸の拡張がTAZ/PIPC投与群の雌雄全群およびTAZ投与群の雌の160 mg/kg/day群に認められた。7. 臓器重量では, 肝比重量の増加がTAZ/PIPC投与群の雌雄の800 mg/kg/day群およびTAZ投与群の雄の160, 80mg/kg/day群と雌の160mg/kg/day群でみられた。8. 病理組織学的検査では, 組織化学および電顕検査でグリコーゲンとみなされた肝細胞内のPAS陽性物質の蓄積がTAZ/PIPC投与群の雄の800 mg/kg/day群およびTAZ投与群の雄の80, 160 mg/kg/day群でみられた。9. 肝の変化は, 1ヵ月間の回復試験によりいずれも回復あるいは回復傾向がみられ, 可逆性の変化であった。10. 肝の病理組織学的変化から判断し, TAZ/PIPCおよびTAZの無毒性量は雌雄ともそれぞれ400 mg/kg/dayおよび40 mg/kg/dayであった。