The Journal of Toxicological Sciences
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TazobactamとPiperacillinの配合剤およびTazobactamの生殖・発生毒性試験(第1報) : ラット腹腔内投与による受胎能および一般生殖能試験
佐藤 利和Lochry Elizabeth A.Hoberman Alan M.Christian Mildred S.
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1994 年 19 巻 SupplementII 号 p. 199-214

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抄録
TAZ/PIPCの200, 800および1600mg/kg, ならびにTAZの40, 160および640 mg/kgを雌雄ラットの交配前および交配期間中, 雌ではさらに妊娠および授乳期間を通じてそれぞれ腹腔内に投与し, 生殖能ならびに次世代(F1, F2)胎児および出生児に及ぼす影響を検討した。雌雄親ラットにTAZ/PIPCおよびTAZ投与に起因した死亡は認められなかった。雄親ラットに対する影響としては, TAZ/PIPCの800 mg/kg以上の投与群で鼻孔からの着色物の分泌が観察され, 体重の増加抑制傾向がみられた。また, TAZ/PIPCの1600 mg/kg群で軟・水様便の排泄が, TAZの160 mg/kg以上の投与群で鼠径部の小腫瘤が観察された。剖検ではTAZ/PIPCおよびTAZの各投与群で投与手技および被験物質の刺激性に関連した変化が消化管にみられた。雌親ラットに対する影響としては, TAZ/PIPCの800 mg/kg以上の投与群の少数例に血様便の排泄が観察され, TAZの640 mg/kg群で交配前および妊娠期間中に体重の増加抑制, TAZ/PIPCの各投与群およびTAZの160mg/kg以上の投与群で摂餌量の減少がみられた。剖検では雄と同様の変化が認められた。本試験において, TAZ/PIPCおよびTAZ投与により雌雄親ラットの受胎能に影響は認められなかった。胎児に対する影響としては, TAZ/PIPCの800mg/kg以上の投与群で吸収胚数の増加, TAZの640mg/kg群で着床数の軽度な減少が認められ, 生存胎児数が減少した。TAZ/PIPCの800 mg/kg以上の投与群およびTAZの640 mg/kg群で内臓変異または骨格変異の増加がみられたが, 外表, 内臓および骨格異常は増加しなかった。出生児に対する影響としては, TAZ/PIPCの800mg/kg以上の投与群およびTAZの640 mg/kg群で生存出生児数が減少し, TAZの640 mg/kg群で死産児数が軽度に増加したが, その後の生存率, 体重増加, 発育分化, 反射機能, 学習能, 受胎能および次世代(F2)に影響は認められなかった。したがって, 本試験条件下における無影響量について, 雌雄親ラットに対する一般毒性学的無影響量はTAZ/PIPCでは200 mg/kg未満, TAZでは40 mg/kg未満であったが, 生殖に対してはTAZ/PIPCで1600 mg/kg以上およびTAZで640 mg/kg以上であり, 胎児および出生児に対してはTAZ/PIPCで200mg/kgおよびTAZで160 mg/kgであると考えられた。
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© 日本トキシコロジー学会
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