The Journal of Toxicological Sciences
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Hydrocortisone 17-butyrate 21-propionateの毒性研究 : 5. ラットの経皮投与における慢性毒性試験
樽本 保男木村 正明戸門 洋志篠沢 礼子土田 武司野田 克巳中根 貞雄笹島 道忠大関 正弘
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1981 年 6 巻 Supplement 号 p. 97-120

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抄録

雌雄ラットに0.1%及び0.5%濃度の HBP含有クリーム及び軟膏を150mg/100gB.W. 6ヵ月間経皮投与して慢性毒性, 並びに回復性を検討するとともに, HB及びBVとの毒性を比較検討した。その結果, HBPに認められた主要な所見は一般のcorticosteroidsにも共通してみられるように自発運動の低下, 削痩, 体重増加抑制, 白血球数, リンパ球数及び総蛋白質量の減少, 赤血球数, 血色素量, ヘマトクリット値, 総コレステロール量及びトリグリセライド量の増加, GOT, GPT, AL-P各活性の上昇, 副腎皮質やリンパ系組織をはじめとした種々臓器の萎縮性変化などで, それぞれ用量に依存してみられた。これら変化は1ヵ月の休薬によって0.1%群ではほとんど消失し, 0.5%群ではそれぞれ減弱するか消失した。また, HB, BVとの比較ではほほ同質の変化を示し, その程度はHBと同等, BVより明らかに弱いものであった。さらに, 剤形間の比較では軟膏剤よりもクリーム剤でやや強く, また, 雌雄間では雄において強い変化が認められた。(研究期間 : 昭和52年11月~昭和53年9月)

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