Journal of UOEH
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ヘッドスペース・ガスクロマトグラフ法およびイオンクロマトグラフ法による尿中臭素イオンの定量
―臭化メチル暴露の生物学的モニタリングへの応用―
古賀 実原 京子保利 一児玉 泰大久保 利晃
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1991 年 13 巻 1 号 p. 19-24

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抄録

ヘッドスペース・ガスクロマトグラフ法(GC法)と電気電導度検出器によるイオンクロマトグラフ法(IC法)により尿中臭素イオンを定量する方法を比較した. GC法の相対標準偏差は2.7%, 最低定量限界は0.4mg/ℓで, IC法(8.7%, 1.0mg/ℓ)より良好な結果が得られた. またGC法による測定はIC法より迅速で, より実用的であることがわかった. 両法による定量値には相関係数0.793と, ほぼ良好な相関がみられた. 臭化メチル取扱作業従事者の尿中臭素イオン濃度を測定した結果, 13.3±7.7mg/ℓ(n=36)であり, 非作業従業者の測定値, 7.1±2.1mg/ℓ(n=6)とは, 有意な差が認められた. しかしながら, 尿中臭素イオン濃度と, パッシブサンプラーを用いて測定した, 臭化メチルの個人暴露濃度との間には明確な関係は得られなかった.

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© 1991 産業医科大学
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