Journal of UOEH
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当院における外傷性脳損傷リハビリテーションの転帰
松嶋 康之上田 まり佐伯 覚蜂須賀 研二
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2001 年 23 巻 4 号 p. 451-456

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抄録

産業医科大学病院における外傷性脳損傷患者の特徴・転帰について調査・検討を行ったので報告する. 対象は, 外傷性脳損傷による機能障害のリハビリテーション目的で当院リハビリテーション科に入院した51症例. カルテ記載をもとにレトロスペクティブに調査を行った. 受傷時平均年齢は34.9歳, 男性43名, 女性8名であり, 受傷原因としては交通事故が68.6%と最も多かった. 認知・行動障害を有する症例は86. 3%であった. 自宅復帰できた症例は70.6%であったが, 退院時に復職の見込みがあった症例はなく, 復学可能であった症例は2名のみであった. ADL (activities of daily living) 障害が重度な症例ほど自宅復帰が困難であり, また認知・行動障害を有する症例で自宅復帰が困難な傾向にあった. 本調査結果より, 外傷性脳損傷患者の認知・行動障害に対する包括的なリハビリテーションアプローチ, 地域での連携システムの確立の必要性が示唆された.

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© 2001 産業医科大学
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