Journal of UOEH
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単孔式腹腔鏡下手術を施行した外側型盲腸周囲ヘルニアの1例
安達 保尋 鳥越 貴行新田 挙助大場 拓哉秋山 泰樹平田 敬治
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2021 年 43 巻 2 号 p. 277-282

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抄録

症例は86歳女性.右大腿骨頚部不全骨折のため当院整形外科に入院中であった.突然の右下腹部痛,嘔吐が出現し,腹部造影CTでは盲腸外側に小腸のclosed loopを認めた. 盲腸周囲ヘルニアによる腸閉塞と診断し,同日腹腔鏡下手術を施行した.盲腸外側の陥凹部に回腸が10 cm程度陥入しており,外側型盲腸周囲ヘルニアと診断した.ヘルニア門を切開後,脱出腸管を整復し,ヘルニア嚢は十分に開放した.陥入腸管に壊死の所見はなく,切除は行わなかった.腹部造影CTにて盲腸と陥入腸管の特徴的な位置関係により盲腸周囲ヘルニアの術前診断がなされ,早期単孔式腹腔鏡手術にて治療が可能であった.

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