住宅総合研究財団研究年報
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中東地域イスラム都市・集落のセンター概念の形態学的研究
芦川 智藤井 明金尾 朗芦川 紀子金子 友美
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1995 年 21 巻 p. 169-185

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抄録
中東地域の砂漠・乾燥地帯に存在するイスラム都市・集落の空間構成の中で,西欧中世都市の広場概念に相当するセンター概念がいかなる形態で存在するか,を実態調査を基礎にして探ってゆくことを目標とするが,その第1段階として,中東全域におけるイスラム都市の旧市街の道路構成と施設配列についての資料化をし,その多様な形態についての整理と類型化を行なったものが今回の報告である。30都市の資料化に当たっては,できる限り本来の姿を予想できる古い図面を探し,道路の形態を把握し,その中での施設配置を捉えてゆく事としている。30都市の類型化を行うに当たっては,林式数量化III類を用い,(1)都市・集落の境界の状況,(2)旧市街・新市街等のゾーン分けの状況,(3)求心的な要素の状況,(4)旧市街の中でのゾーン区別の状況,(5)道路パターンの状況,(6)空間のヒエラルキーの状況,の6項目を手掛かりとして適用している。その結果,Aグループ:単純明快な構成を持ち全体に均質的な都市空間を有するグループ(ガルダイア・ベニイスゲン・スファックス等),Bグループ:複合的な全体像を持ちながら若干混合し曖味な部分を有し,空間は均質なグループ(シバーム・バグダッド・スース・モスール等),Cグループ:空間に階層性があり,全体として混合した部分を有するグループ(ケルマーン・カイセリ・シバス・エディルネ等),Dグループ:空間に階層性があり,明快なまとまりを持っているが複合化した部分も持つグループ(アレッポ・ダマスクス・マラケシュ・フェス等),Eグループ:単純な構造で階層的空間構成を有し,しかも明快な構造を持つグルーブ(イスファハン・カイロ・チュニス等)の5つのグループを導入している。
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© 1995 一般財団法人 住総研
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