抄録
本研究は,高齢者向け公営コレクティブ住宅を対象として,入居者の生活の質(QOL)といった視点から,コレクティブという居住形態が入居者の生活に与える影響を明らかとすることを目的とする。研究対象として、シルバーハウジングと隣接して建設されたコレクティブ住宅を取り上げ,双方の入居者のQOLを測定し,居住実態とあわせて比較分析を行った。分析の結果,1)シルバーに比ベコレクティブ居住者の方が行動的で,QOL値は概して高い,2)住宅への評価や安心感はシルバーの方が高い,3)QOL値は入居者の行動や意識と関連しており,居住形態の影響がみられることなどが明らかとなった。