住宅総合研究財団研究論文集
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明治前期洋風住宅の平面計画の基本型に関する研究
北海道と19世紀アメリカ東部の関連について
駒木 定正小林 孝二山之内 裕一中渡 憲彦
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2005 年 31 巻 p. 161-172

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抄録

 本研究は,明治前期に導入された北海道の洋風住宅(官舎)の平面計画に洋風としての基本型を見出し,その推移について主要な事例を上げて説明した。また,開拓使が洋風を導入したアメリカ東部を対象に19世紀の住宅調査と資料収集をおこない,比較研究の基礎資料とした。洋風官舎の平面計画は次の3つの規範にもとづいたことを究明した。1)建物の構成は主屋と付属家からなる。2)玄関を正面中央に設けて左右対称と中心性を強調する。3)玄関に続いて中廊下を配し居室を設ける。従来不明であった「洋造壱邸」(明治6年施工)の写真を見出し,和風の外観に洋風の居室を組み合せた特異な住宅であったことを初めて明らかにした。

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© 2005 一般財団法人 住総研
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