抄録
本研究では,血縁婚姻関係を持たないもの同士を含む同居を行う住居を共住住居と定義し,事例調査により,その空間構成と利用形態を明らかにした。利用形態の特徴として,①個の空間より,共同で住む事により得られるものを重視する。②生活時間帯にずれにより共用部の適時利用が計られる。③経験者は人/場所を考えながら継続的に居住住居に住む場合がある。④居住者の他住居滞在や定期的に来訪する非同居者の存在があることが確認された。空間構成の特徴として,①個室の確保と同時に共用空間の快適性を求める。②最も広い空間を造り共用空間として利用する。③所有物のうち共用可能なものは共用空間に配置する傾向があることが示された。