2008 年 34 巻 p. 231-242
要養護児童のためのグループホームにおける住環境と地域化を考察した結果,1.GHの家屋選定は,室面積や本体施設との距離,周辺環境や住民の顔ぶれ等が考慮されていたものの,様々な制約の中で選択余地のないホームも確認された。2.職員の築いてきた社会関係をもとに,GHは近隣住民等からの理解・支援をうけており,3.GH入所児は本体施設入所児に比べて,施設外の子どもや大人との関わりが活発である傾向がみられた。一方で,4.関係構築には数年程度の歳月と職員の多大な努力,良き理解者を必要とし,また職員の年齢や勤務体制の影響が大きいこと,などが明らかとなった。