住宅総合研究財団研究論文集
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桟瓦・レンガのオランダから日本への伝播の実態について
オランダ東インド会社関連遺跡とその出土資料の分析を通じて
小林 克堀内 秀樹岩下 哲典金田 明美小川 保
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 34 巻 p. 337-348

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抄録

オランダ各都市・アユタヤ・ゼーランディア・平戸・長崎(出島)から出土した資料をサンプリングし,胎土分析を行った。この結果,黄色レンガは,オランダ地域からアジア各地にもたらされた可能性が高いこと。平戸・長崎(出島)出土の赤色レンガの多くは台南地域からもたらされた可能性が高いことが明らかになった。更に日本の瓦と同質のレンガが平戸と出島から確認され,日本人によりレンガが生産されていたと考えられる。オランダ式桟瓦も,タイ・アユタヤのオランダ人居住地と,インドネシア・バンテン遺跡からも発掘されていた。アユタヤで確認されたオランダ式桟瓦については,アムステルダム出土桟瓦との比較を行ったが,明確な差異は確認出来なかった。

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© 2008 一般財団法人 住総研
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