住宅総合研究財団研究論文集
Online ISSN : 2423-9887
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ISSN-L : 1880-2702
重度ALS患者の在宅独居空間の整備手法に関する研究
自主工事による改修住宅2事例での住み替え実態を通して
阪田 弘一山本 晋輔中院 麻央
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 36 巻 p. 237-246

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抄録

ALS(筋委縮性側索硬化症)は日常生活動作の障害が強く医療的ニーズの高い難病である。本研究は,あるALS患者の在宅独居生活移行を支援して患者のための住居改修を行い,整備の有効陛を検証するとともに,住居選択・住居整備の過程で浮かび上がった障害を明らかにした。ALSを取り巻く既存の社会状況や福祉制度では,患者の在宅独居生活を支えることは難しく,住居探しや改修資金調達など在宅移行時と在宅生活での建築的側面において様々な障害があること,患者と介助者双方にとって機能だけにとどまらない住居としての快適性を高めることが重要であることがわかった。

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© 2010 一般財団法人 住総研
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