2019 年 45 巻 p. 141-152
本研究では,深刻な人口減少を経験した米国の衰退工業都市で策定されている空洞化地区の土地利用転換を図る総合計画(縮退型都市計画)の戦略性を分析した。主には産業用地(工場跡地)の 用途転換や,空洞化に応じた低密住宅地への土地利用転換,住宅市街地の産業用地への転換が計 画されており,一部の自治体では人口減少時代の不確実性に対応するための「可変性」を内包した土地利用計画が策定されていた。新規居住者の流入を抑制する土地利用である居住抑制地区の導入(規制化)は困難であることが判明したものの,土地の低密度化による地区の安定化を図るための知見が得られた。