住総研研究論文集・実践研究報告集
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フランスの住宅政策とソーシャル・キャピタル施策の関係の研究
生活主体の観点からの居住者支援は居住生活改善に繋がるか
寺尾 仁阿部 順子
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 46 巻 p. 85-96

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抄録

今日のフランスでは,住宅管理が住宅政策の大きな課題となっている。その中で居住者の地位・役割は明確でない。制度化されていない社会集団としての居住者をソーシャル・キャピタルの観点から分析する。居住者同士の信頼を高める試みとして,庭・菜園を共同で耕作する集合庭と近所同士で持ち寄りパーティを開く隣人祭りを取り上げ,それが居住者集団の実体化に寄与しているか否かを検討した。その結果,集合庭には幾つかの型があり,また隣人祭りは年1 回の催物から通年の活動へと展開して社会的包摂を進めてはいるものの,それが住宅管理の役割を果たしうる居住者集団の実体化には至っていないことが明らかになった。

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