抄録
福島県南相馬市小高区で運営している小高復興デザインセンターでの実践に基づいて,まちなか,集落に立地する大富と川房の3つの地区を例に,避難指示が解除された後の原発被災地域における土地利用手法とその構築過程を考察した。具体的な土地利用手法である「レシピ」,活動の中心である「アクター」,地域特性である「プラットフォーム」の間には相互関係があり,土地利用手法の構築は,アクターがレシピを模索する中でプラットフォームの側も変容する過程を経て実現し得る。外部支援者は,各地域に特有の三者関係を理解することで,この過程に必要な役割を担える可能性がある。