本研究は,地方都市の都市構造や住宅市場等の特性に着目し,郊外に立地する公営住宅団地を対象にその活用や再生の課題を検討し,その方向性を提案することを目的としている。研究では,3 つの都市圏の公営住宅について,住宅事業者・管理者・自治会等の協力のもと,資料調査・インタビュー調査を実施した。その結果,地方・郊外においても公営住宅の役割は大きく,1)縮退の進む郊外住宅地の中で拠点的な役割を果たすこと,2)住宅・団地の質を高めて若年層の住宅需要に対応すること,3)住宅管理手法の柔軟な運用により,地域資源を適切に活用すること等を方向性として提案している。