日本獣医がん学会雑誌
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短報
骨肉腫の治療後に血管肉腫で死亡した犬の1例
髙平 篤志
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キーワード: dog, hemangiosarcoma, osteosarcoma
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2013 年 4 巻 2 号 p. 24-28

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抄録

雑種犬、去勢雄、11歳齢が骨生検による骨肉腫疑いとの事で来院した。左前肢体幹部断脚術を行い、病理検査にて骨肉腫と診断した。術後の補助的化学療法として、カルボプラチンにて治療を行った。初診より1年2 ヵ月目に超音波にて肝臓内側右葉に腫瘤を発見した。肝葉切除術を行い、病理検査にて過形成性結節と診断した。その後、一般状態は良好であったが、初診より2年4 ヵ月目目に超音波検査にて腰椎下動静脈周囲に腫瘤を発見した。Tru-cut 生検にて血管肉腫と診断した。本症例は、骨肉腫の治療中に肝臓腫瘤・血管肉腫に罹患したが、亡くなるまでの2年7 ヵ月間、骨肉腫の再発もなく、非常に良好なQOL を維持することができた。

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© 2013 日本獣医がん学会
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