日本獣医がん学会雑誌
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犬の組織球性肉腫3例における治療に伴う血清フェリチン濃度の変動
近澤 征史朗岩井 聡美柿崎 竹彦畑井 仁
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2014 年 5 巻 2 号 p. 18-23

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抄録

犬の組織球性肉腫 (HS) は高フェリチン血症を呈する代表的な疾患であり、血清フェリチン濃度の異常高値が有用な診断マーカーであると報告されている。我々は血清フェリチン濃度が犬の HS の病態を反映して変化すると考え、HS 罹患犬3例における治療に伴う血清フェリチン濃度の推移を調べた。その結果、全例で診断時に著しい高値を示した血清フェリチン濃度は治療開始後に速やかに低下し、再燃を認めた時あるいはその直前で再び上昇した。従って、血清フェリチン濃度は HS の病態を鋭敏に反映して変化すると考えられ、本症の病態モニタリングへの臨床応用が期待された。

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