獣医疫学雑誌
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原著
国内生産農場における淘汰産次毎の母豚の生涯経済性の調査
佐々木 羊介Iain McTaggart纐纈 雄三
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キーワード: culling, economic, longevity, management, swine
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2011 年 16 巻 1 号 p. 37-45

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抄録
本研究の目的は,国内生産農場における淘汰産次毎の母豚の生涯経済性の調査と,生涯純利益と飼料費,市場価格,飼料要求率,離乳子豚数の感受性分析を行うこととした。本研究では,101農場における53,996頭の母豚の繁殖記録を繁殖データとして用いた。産次毎の生涯純利益の経済モデルは繁殖データと経済的な仮定値から作られた。生涯純利益は,各産次の純利益の総和と母豚出荷代の合計から更新豚の費用を引いて算出した。各産次の純利益は,肉豚出荷代から飼料費,更新豚の減価償却費,施設費,交配費,治療・ワクチン費,出荷・と畜手数料,光熱費,人件費を引いて算出した。淘汰産次が1産から8産に増加するにつれて,生涯純利益は-272.8ドルから1,944.9ドルまで増加した。生涯純利益は3産において黒字となった。1産から5産までにおいて,各産次の純利益は145.8ドルから390.2ドルに増加した。感受性分析の結果,飼料費が0.40/kgドルから0.45/kgドルに増加すると,4産次までの生涯純利益は赤字となった。さらに,飼料費が0.50/kgドルに増加すると,全産次の生涯純利益が赤字となった。市場価格が4.25/kgドル以下となった場合,全産次の生涯純利益は赤字となった。しかし,飼料要求率の低下および離乳子豚数の増加は生涯純利益を増加させた。結論として,長期生存性を高めることは生涯純利益の増加につながる。母豚の生涯純利益を高めるためには,飼料費および飼料要求率の低下,離乳子豚数の増加が重要である。
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© 2011 獣医疫学会
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