獣医疫学雑誌
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原著
Norovirus食中毒における発生頻度の時間的な検討
高橋 正弘池田 恵中村 丁次豊福 肇
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2014 年 18 巻 1 号 p. 56-64

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抄録
Norovirus食中毒における年別,月別,週別,日別,曜日別の発生頻度は,「全国食中毒事件録」第三篇に収録されている1998年〜2008年の11年間の発生年月日,発生件数,患者数を用い検討した。
年別発生頻度は2003年〜2008年の間が平均値を超えた高い期間であった。発生頻度が上限値を超えた2006年は異常に高い年であった。
月別発生頻度は12月,1月,2月,3月,11月の順に高く,冬季に発生が集中していた。12月と1月の間は有意差が認められなかったが,12月および1月は他の月との間で有意差が認められた。したがって,12月および1月は発生頻度が高い月であった。
週別発生頻度は発生件数が第47週から第14週,患者数が第47週から第13週までの間が連続して平均値を超えた高い期間であった。中でも発生頻度は第51週が有意に高く,第52週および第1週の年末年始の週が有意に低くかった。
日別発生頻度は発生件数が11月17日〜3月31日の間,患者数が11月15日〜4月2日の間が平均値を超えた高い期間であった。 中でも発生頻度は12月9日,12月10日,12月16日,12月23日など12月中旬の第51週の日が特に高かった。12月29日,12月30日,1月2日,1月3日など年始年末に当たる日は平均値を下回り発生頻度が低かった。
曜日別発生頻度は土曜日,日曜日,金曜日,月曜日,火曜日,木曜日,水曜日の順に高かった。土曜日と日曜日の間には有意差が認められなかったが,土曜日および日曜日は他の曜日との間で有意差が認められた。したがって,土曜日および日曜日は発生頻度が高い曜日であった。
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© 2014 獣医疫学会
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