獣医疫学雑誌
Online ISSN : 1881-2562
Print ISSN : 1343-2583
ISSN-L : 1343-2583
原著
ペットロスに伴う死別反応から医師の介入を要する精神疾患を生じる飼主の割合
木村 祐哉金井 一享伊藤 直之近澤 征史朗堀 泰智星 史雄川畑 秀伸前沢 政次
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 20 巻 1 号 p. 59-65

詳細
抄録

ペット喪失に伴う深刻な心身の症状が2カ月を超えて持続する場合には,医師による対応が必要である可能性が高いと考えられる。東京および愛知の動物火葬施設で利用者に対して精神健康調査票(GHQ28)による追跡調査を実施したところ,死別直後で22/37名(59.5%),2カ月後で17/30名(56.7%),4カ月後で11/27名(40.7%)の遺族がリスク群と判定された。また,心身の症状に影響のある要因として,遺族の年齢,動物との関わり方,家族機能が挙げられた。ペット喪失後の問題を減らすためには,こうした要因をもつ飼育者に獣医療従事者が事前に気づき,予防的な対応をとることが重要と考えられる。

著者関連情報
© 2016 獣医疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top