日本獣医師会雑誌
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日本産業動物獣医学会会誌
ブロイラーにおける蜂窩織炎の発生とその要因
渡邉 理薮上 剛亀山 衛山口 悦司浦本 京也
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2009 年 62 巻 2 号 p. 121-125

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抄録

2002年に,A系列のブロイラー出荷鶏で蜂窩織炎 (Ce) が多発した. 食鳥処理場 (処理場) におけるCeによる廃棄率と病態を調査し,同系列の農場 (農場) でCeを伴う漿膜炎 (Se) 型の大腸菌性敗血症 (大腸菌症) を認めたので病理学的に比較した. いっぽう,B系列はCeの発生が少なかったので両系列の飼育状況を比較し,Ceの発生要因を調査した. A系列のCeによる廃棄率は0.88%で,B系列の0.03%に比べ有意に高かった. 処理場のCe廃棄鶏の63%は雄で,下腹部や内股部に皮膚の肥厚,皮下水腫,チーズ様凝塊の形成を認めたが,Se病変はなかった. Ce病変やSe病変から大腸菌O78が分離された.農場のCe病変には痂皮形成や表皮炎を認めたので,床面との接触部位からの大腸菌感染が疑われた. 発生要因として,給温期間,飼育密度,空舎期間が関与しているものと考察した.

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