日本獣医師会雑誌
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 加藤 圭介, 高橋 海秀, 山本 哲也, 原 知也, 足立 全, 岸本 昌也, 加藤 大介
    原稿種別: 短報
    2024 年 77 巻 7 号 p. e75-e80
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/27
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    7カ月齢,雌の黒毛和種子牛が,配合飼料の採食量が少なく,間欠的下痢を示し,体重70 kgと発育不良を呈していた.血液生化学検査において,血清中総胆汁酸濃度(268 μmol/l)と血中アンモニア濃度(87 μg/dl)が高値を示し,先天性門脈体循環シャントが疑われた.カラードプラ超音波検査では,肝外において門脈と後大静脈の間に乱流を認めた.開腹手術時,診断のために実施した門脈造影検査では,肝臓内門脈の枝状構造は描写されなかった.肉眼的に確認したシャント血管を鉗子により遮断した後,再度実施した門脈造影検査では枝状構造が描出されたため,この血管を完全結紮した.本症例は27カ月齢にて体重630 kgと発育の改善を認めた.門脈造影検査は,本疾患の診断及び術中のシャント血管の結紮部位の確認に有用であった.

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