日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 米山 州二, 齊藤 かおり, 小笠原 悠, 陸 拾七, 間 陽子
    原稿種別: 原著
    2022 年 75 巻 6 号 p. e114-e121
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/15
    ジャーナル フリー

    牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)の高度感染酪農場で清浄化を達成した.まず,感染牛の血中プロウイルス量(PVL)及びBoLA-DRB3アリルから各感染個体のBLVの伝播源としてのリスクを推定し,感染高リスク牛を優先的に淘汰した.また,子宮内感染を避けるため,原則,後継牛は非感染牛に雌の性選別精液を人工授精して得た.続いて農場内放牧を中止し,牛舎内の感染牛の飼養区域を完全分離し,境界に抵抗性アリルを有する感染牛を配置した.感染母牛から生まれた子牛11頭中,5頭が感染牛で,高PVLの母牛でより高頻度だった.搾乳牛の82.8%が感染していた2015年10月から対策を開始し,2020年5月に清浄化を確認した.高度感染農場でも子宮内感染に注意し,高PVL牛の優先的淘汰と感染牛の分離飼育をあわせることで清浄化は可能である.

小動物臨床関連部門
  • 友野 悠, 折戸 謙介, 大倉 健宏, 木村 祐哉, 久末 正晴
    原稿種別: 原著
    2022 年 75 巻 6 号 p. e122-e127
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/15
    ジャーナル フリー

    獣医科大学における医療面接実習で,模擬クライアントの学生評価を学生の性別,オープニング,開放型及び閉鎖型質問,クロージング,共感的態度や解釈モデル,並びに信頼獲得に関する17項目から成るアンケート形式で実施し,その成績をもとに模擬クライアントの信頼獲得に寄与している因子を検出した.「信頼」との相関の大きさが「解釈モデルの理解」,「共感」,「閉鎖型質問」,「敬語」,「要約」,「動物に挨拶」の順で認められた(r=0.48~0.64).「信頼」を目的変数とし,その他の学生の態度に関する変数を説明変数として強制投入した重回帰分析では,「敬語」「解釈モデルの理解」「閉鎖型質問」「身だしなみ」が有意であった.したがって,それらの態度の改善がクライアントからの信頼獲得に重要であり,今後の大学教育と臨床現場に反映させることの必要性が示された.

  • 井上 舞, 杉浦 勝明
    原稿種別: 原著
    2022 年 75 巻 6 号 p. e128-e133
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/15
    ジャーナル フリー

    犬や猫の死亡時年齢や死亡原因を把握することは,健康診断の設定や健康増進の対策を立てるうえで有用な情報となりうる.著者らは全国の40病院の協力を得て,2020年4月1日~2021年8月31日までの間に死亡した2,133頭の犬及び猫の死亡状況についてのデータを基にコホート生命表を作成したところ,犬の平均寿命は13.6歳,猫の平均寿命は12.3歳であった.犬の死亡原因は腫瘍が18.4%と最も多く,循環器疾患が次いで17.4%,続いて泌尿器疾患が15.2%であり,猫での死亡原因は多い順に泌尿器疾患が29.4%,腫瘍が20.3%,循環器疾患が11.8%であった.死亡原因として多い疾患の影響を除いた平均寿命を算出した所,犬の腫瘍では0.6歳,循環器疾患では0.5歳,猫の泌尿器疾患では1.6歳,腫瘍では1.0歳平均寿命が延びると推計された.このような研究をもとに優先順位をつけて疾患対策を行うことで効率的な健康増進が可能になると考えられる.

  • 岩永 朋子, 田中 功, 木下 あゆみ, 遠藤 泰之
    原稿種別: 短報
    2022 年 75 巻 6 号 p. e134-e138
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/15
    ジャーナル フリー

    貧血,血小板減少症,脾腫を呈して来院した5週齢のビーグル犬の子犬において,PCR検査にてBabesia gibsoni 由来遺伝子が検出されたため,アドバコン・プログアニル合剤による治療を行った.アドバコンとして20mg/kg,1日2回,10日間の投与を行ったところ,副作用の発現はなく貧血の改善が認められた.感染経路を調査したところ,猟犬である症例の母犬からはB. gibsoni 由来遺伝子は検出されなかったが,マダニ予防が不完全であったことや,同居犬にバベシア感染症がいたことから,母犬はPCR検査で偽陰性を示した不顕性感染であった可能性が高く,感染経路は垂直感染が疑われた.本症例は,若齢犬のB. gibsoni 感染症の急性発症例に対して,アドバコン・プログアニル合剤で治療を試みたわが国で初めての報告となる.

feedback
Top