2009 年 62 巻 6 号 p. 473-475
雄の若成猫(3歳9カ月齢)の両側上眼瞼結膜に同時に発生した腫瘤を病理学的に検索し,両側性結節性脂肪肉芽腫性結膜炎と診断した. 右側腫瘤は直径約7mm 大,左側腫瘤は直径約5mm 大で,乳白色表面滑沢であった. 組織学的に,これら腫瘤はいずれも結合組織層における,種々の量の脂肪空胞/空隙を細胞質に持つ多核巨細胞およびマクロファージを主体とする炎症性細胞の集簇と,細胞外遊離脂質から成っていた. しかしながら,炎症性細胞と細胞外遊離脂質の割合は同時に発生した左右の病変でかなり異なっていた.