日本獣医師会雑誌
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日本小動物獣医学会誌
犬緑内障症例における動物診療施設への来院までの日数と視覚維持の検討
伊藤 良樹梅田 裕祥若生 晋輔齋藤 陽彦
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キーワード: , 期間, 緑内障, 視覚
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2010 年 63 巻 4 号 p. 281-285

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抄録

飼い主が緑内障による異常を認識してから動物診療施設に来院するまでの日数と来院時の視覚の維持について検討した. 2006年1月1日から2007年12月31日までに当トライアングル動物眼科診療室(当院)に紹介,または直接来院し,緑内障と診断された犬症例158頭194眼を対象として,動物診療施設来院までの日数(診療施設来院日数)と当院来院までの日数(TAEC来院日数),および当院来院時の視覚維持率を算出した. 症例の73.3%で診療施設来院日数が3日以内であった. また,TAEC来院日数が3日以内の症例の視覚維持率は54.5%,4日以上の症例では8.9%であった. 今回の調査より,犬緑内障症例の多くが,発症後早期の視覚を保持した状態で動物診療施設に来院している可能性が示された.

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