抄録
2008年に九州地方から北陸地方にかけて広範囲にアカバネウイルス(AKAV)が流行し,牛異常産が発生する中,福井県において起立不能や遊泳運動などの神経症状を主徴とする育成牛2例(3カ月齢と11カ月齢)が確認された.2例ともに,病理組織学的検査において非化膿性脳脊髄炎が認められ,また,免疫組織化学的染色で中枢神経系組織にAKAV抗原が検出された.さらに,RT-PCR により,これら2例の脳幹部からAKAV特異遺伝子が検出され,うち1例よりAKAVが分離された.以上の結果から,これら2例を生後感染型アカバネ病と診断した.また,分離株は,生後感染型アカバネ病の症例からこれまで分離されたことのないgenogroupⅡに属するウイルスであることが確認された.