日本獣医師会雑誌
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小動物臨床関連部門
3頭の神経型猫伝染性腹膜炎被疑症例のα1酸性糖タンパク質及び血清アミロイドA
相馬 武久中野 康弘上田 紗耶子高橋 邦昭
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2026 年 79 巻 3 号 p. e29-e34

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抄録

猫伝染性腹膜炎(FIP)の診断のためにα1酸性糖タンパク質(AGP)や血清アミロイドA(SAA)等の急性期タンパク質(APP)の血中濃度は有用な指標であり,FIP症例のほとんどでこれら値の上昇が認められる.しかし,脳脊髄液を供試した猫コロナウイルス遺伝子検査と抗体検査,及び頭部磁気共鳴画像検査で神経型FIPが強く疑われた3症例でAGPがそれぞれ,460,480及び410 μg/ml,SAAが全例<3.0 μg/mlと基準値の範囲内であった.さらに主要な血液学,生化学検査値の変動はほとんどみられなかった.以上の成績からFIPの病変が中枢神経系に限局している例ではAPP値が健常猫の基準値を逸脱しない場合があることが示唆された.

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