1959 年 12 巻 9 号 p. 391-396
1. pHが中性またはそれに近い有機溶剤で比較的誘電率が低く, 水と任意の割合に混和するものは牛乳に対して凝固作用をもつ.
2. このような有機溶剤は牛乳と互いにひとしい容量で混和した場合の濃度の誘電率がひとしくなるようなそれぞれの濃度で, 牛乳と混和すれば同一程度の凝固状態を起し得ると思われる.
3. この結果アルコールなどの有機溶剤を牛乳に加える時は, 乳中水分の誘電率が低下するために凝固が起ると考えられ, アルコールの脱水作用ではないように思われる.