日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
家畜血清蛋白に関する沢紙電気泳動学的研究
第V報の1犬糸状虫症における血清蛋白像, とくに血清蛋白・複合蛋白および腹水蛋白像について
友田 勇
著者情報
ジャーナル フリー

1962 年 15 巻 10 号 p. 404-410

詳細
抄録

犬糸状虫症における血清蛋白の動態を沢紙電気泳動法によって観察し, 臨床症状・年令・末梢血液中mf数・貧血との関係を検討するとともに血清複合蛋白および腹水蛋白の動態をも観察した. その結果, mf陽性犬においては一般にalb分屑の減少とβ-, γ-glob分屑の増大が見られ, もちろん症例によって若干の相異があるが発症ならびに症状の増悪とともにその動態は著明となる傾向を示し, 重症例では著るしいalb量の低下とγ-glob量の増大が認められた. 複合蛋白分画においても一般にβ-Lpの増加がみられ, さらに腹水蛋白所見では癌性腹膜炎腹水に比してTP量低く, alb透過度も若干低値を示す傾向を認めることができた.

著者関連情報
© 社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top