日本獣医師会雑誌
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臨床化学的方法により判定された乳熱様疾患の発生例について
飯塚 三喜二本柳 葭子西村 弘
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1966 年 19 巻 12 号 p. 610-611,618

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抄録

著者らは, 起立緩慢, 食欲不振, 微熱などの共通した臨床症状を持ちながら典型的な乳熱の臨床症状を示さない乳牛8例について臨床血液検査を行なった. その結果低Ca, IP血症, 高Mg血症, 高血糖症など乳熱特有の臨床血液所見を認めた.
これらの乳牛に塩化カルシウムまたはグルコン酸カルシウム液を静脈内注射したところ, いずれの例も前記の症状が消失した.
これらの結果より本例の乳牛は乳熱と診断されるべきかとも考えられるが, その発生時期および微熱を呈するなど過去の文献にみられない著変をみたので, これを乳熱様疾患とした.

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