日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
乳牛の乳房空気造影法の検討
小池 寿男大友 勘十郎松本 寛沼田 芳明
著者情報
ジャーナル フリー

1969 年 22 巻 5 号 p. 197-202

詳細
抄録

乳牛の乳房の空気造影法による, 乳房のX線診断め可能性を検討した.
この方法は乳腺内に空気を満たすことによって, 乳槽・乳管洞および乳管などのX線による変化を知ろうとするものであって, 5~120mmHgの間の空気の注入圧について検討した結果, X線撮影には5mmHg, 20mmHgおよび40mmHgが良好であった.
5mmHgの注入時には乳槽部が, 20mmHgでは乳管洞が, また40mmHgでは乳管までの像が明示された. なお40mmHgの像と, 120mmHgの像の問には差がなかった.
700~1,000m1程度注入された空気はほぼ72時間以内に吸収された.
乳牛の乳房のX線診断のための空気造影法は内部変化の像を比較的明瞭に示すので, 臨床的に応用する価値があり, 今後さらに詳細な検討が期待される.

著者関連情報
© 社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top