日本獣医師会雑誌
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キノキサリン誘導体に対するAvian vibrioの感受性について
鎌田 正信三浦 四郎
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1973 年 26 巻 2 号 p. 80-83

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抄録

キノキサリン誘導体CDとニトロフラン誘導体PZの2種の薬剤を用いて, 両薬剤に対するA. vibrioおよび4種の対照群 (V. fetus, V. bubulus, V. coli, V. parahemolyticus) の感受性を調べて, つぎのような知見を得た.
1. A. vibrioの全供試株はCDに対してMICが0.78mcg/ml以下, PZに対しても3.13mcg/ml以下と両薬剤に高い感受性を示した.とくに, CDに対しての感受性が高く, 全株の57.1%がMIC 0.09mcg/ml以下であった.
2.V. fetus, V. bubulusおよびV. coliはA. vibrioと同様に両薬剤に感受性を示し, MICもほぼ同じであった.
3.V. parahemolyticusは両薬剤に対してきわめて低感受性, あるいは耐性であった.
4. 今回の試験ではA. vibrioの由来や生化学的性状の違いによる薬剤感受性の差は認められなかった.
終わりに薬品を提供くださつた台糖ファイザーKKに深甚なる謝意を表します.

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