日本獣医師会雑誌
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犬の下痢症に対するビフィダス菌製剤の臨床応用試験
小暮 一雄末本 実多川 政弘内田 和夫黒川 和雄
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1976 年 29 巻 8 号 p. 439-442

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抄録

1) ビフィダス菌製剤 (R-103) は犬の慢性および急性腸炎の下痢に対して, 63.3%の著効率を示した. 投与は経口的に行なわれ, 1日体重1kg当たり, 32~750mg (平均113mg) であった.
2) 抗菌剤および抗生物質投与が無効であった慢性下痢症に著効を示した.
3) 駆虫剤との併用により, 下痢回復を促進する傾向が認められた.
4) 過食, あるいは腐敗した食物や不消化物を食べたことに起因する下痢に有効であった.
5) 重篤な全身症状を伴った下痢に対しては, ほとんど効果が認められなかった.
6) 本試験を通じて, 本剤投与による副作用はまったく認められなかった.
本試験において, 微生物学的見地から, 終始貴重なご助言を頂いた日本獣医畜産大学の寺田厚助手に深謝し, またビフィダス菌製剤を提供された日清製粉株式会社に謝意を表する.

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