日本獣医師会雑誌
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若齢牛真性糖尿病の一例
浜名 克己南正覚 耕平田浦 保穂野坂 大上原 豊作小野 憲一郎
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1979 年 32 巻 8 号 p. 437-441

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抄録

黒毛和種1才の雌ウシに削痩と被毛粗剛, 食欲不振, 多飲が認められ, 尿はpH6, 糖卅, ケトン体卅を示した.血液検査では高血糖 (230-300mg/dl) と高遊離脂肪酸値 (1.051mEq/l) が特徴であった.
グルコースおよびキシリトール負荷試験では, いずれも高血糖の維持と半減期の延長が認められ, 6時間後に前値に復した.その間血漿インスリン値は6μU/ml以下の低値に終始した.インスリン負荷試験では血糖値が半減した:
病理学的検査で, 膵臓に肉眼的な病変はなかったが, 組織学的にはリンパ球浸潤と, ランゲルハンス島の萎縮・消失が認められた.その他, 糸球体および間質性腎炎, 中心性脂肪肝が認められた
以上の所見から本例は若年性真性糖尿病と診断された.

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