オトギリソウの牛の嗜好性については5回にわたり採食状態を調べたが, 1度は採食せず特に嗜好される草ではないようである. オトギリソウには有毒物質のヒペリシンが存在し, 牛に光線過敏症を起こすことを認めた. 採食後発症までの時間は鼻鏡および皮膚の発赤は24時間前後に現れ, 皮膚病変は4日目に発現した. オトギリソウ中のヒペリシン濃度は生育時期, 生育環境によっても変化があるものと考えられるが, 花に最も多く, 葉, 茎の順であった. また欧洲産の砂Hypericum perforatumに比較して高濃度であった.