日本獣医師会雑誌
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牛白血病の臨床ならびに臨床病理学的所見
I. 臨床所見
一条 茂金 徳煥小西 辰雄小沼 操
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1982 年 35 巻 1 号 p. 17-22

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抄録
北海道十勝地方で発生した62例の白血病牛を子牛型 (10例), 胸腺型 (18例), 皮膚型 (3例), 成牛型 (31例) の4病型に分類し, 各病型の臨床所見について検討した.血清のBLV抗体は成牛型では1例を除き他はすべて陽性であり, 他の病型では胸腺型の1例が陽性を示したのみであった.全検索牛に共通した特徴的臨床所見は体表リンパ節と内腸骨下リンパ節の腫大であった.その他に, 胸腺型では頸部胸腺の高度の腫脹, 皮膚型では全身皮膚の結節性または薄麻疹様の病変, また成牛型の一部の例では骨盤腔や後腹部における巨大な腫瘍塊の触知も診断のための参考となることを知った.体表リン櫛の腫大の確認に当たっては特にリソパ節の短径の増大を参考とすることが望ましいことを, 正常牛のリンパ節の計測値との比較によって明らかにした.また, 白血病牛におけるその他の臨床所見には腫瘍性病変の存在部位との密搬関連がみられたが, 必ずしも本病診断上の特徴所見とは認められなかった
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