日本獣医師会雑誌
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子牛におけるフラゾリドン中毒症例
鈴木 達郎村嶋 孝志明石 良信伊藤 尚志金子 晋岩渕 功
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1983 年 36 巻 9 号 p. 540-543

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抄録

子牛6頭に下痢治療の目的でフラゾリドン製剤を投与したところ, フラゾリドン中毒が発生した. その概要は次のとおりであった.
1. 約15日齢の子牛6頭にフラゾリドンを体重1kg当たり20mgを投与したところ, 投与4日目より特徴的な神経障害の症状を示し, 6頭中2頭が斃死した. 1頭は重度の症状を示し, 安楽死の処置をとった. 他の3頭は耐過生存した.
2. 10日後, 耐過生存した3頭に試験的に, 同様の方法で再投薬したところ, 投与3日目に1頭が発死し, 1頭は重症のため安楽死の処置をした. この両例について, 病理学的および細菌学的検索では, 中毒を疑う結果を得た.
3. 臨床症状は, 沈うつや興奮・騒狂状態を示した. 興奮状態は5~10分間ぐらい継続し, 1~2時間ぐらいの間隔で発生した. 重症例は四肢の強直や後弓反張の神経症状を現わし, 死の転帰をとった.

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