日本獣医師会雑誌
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ラテックス凝集反応によるオーエスキー病ウイルス抗体の検出
柴田 勲深見 直榊 馨古屋 美人伊藤 尚志伊藤 郷健土屋 守
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1990 年 43 巻 2 号 p. 111-114

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抄録
オーエスキー病 (AD) ウイルス抗体を検出するためのラテックス凝集反応 (LA) キットの有用性について, 中和試験 (NT) と比較検討した
野外豚血清1, 659検体を用いたLAとNTの検査結果をGERSTMANらの算定式にあてはめた場合, NTに対するLAの感度は97.7%, 特異性は97.6%となり, また両者の判定結果の一致率は97.6%であった.3株のADウイルスを用いた豚実験感染試験では, LAはNTより抗体検出時期が早く, 感染後1週目から抗体を検出した.LAが感染早期にIgM抗体を検出していることが, 抗体のHPLC分画により確認された
以上の成績から, LAがADの血清学的診断法として簡便, 迅速であり, 感度および特異性も高いことから, 野外のAD感染豚の摘発に極めて有用であることが判明した.
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