抄録
オーエスキー病 (AD) ウイルス抗体を検出するためのラテックス凝集反応 (LA) キットの有用性について, 中和試験 (NT) と比較検討した
野外豚血清1, 659検体を用いたLAとNTの検査結果をGERSTMANらの算定式にあてはめた場合, NTに対するLAの感度は97.7%, 特異性は97.6%となり, また両者の判定結果の一致率は97.6%であった.3株のADウイルスを用いた豚実験感染試験では, LAはNTより抗体検出時期が早く, 感染後1週目から抗体を検出した.LAが感染早期にIgM抗体を検出していることが, 抗体のHPLC分画により確認された
以上の成績から, LAがADの血清学的診断法として簡便, 迅速であり, 感度および特異性も高いことから, 野外のAD感染豚の摘発に極めて有用であることが判明した.