日本獣医師会雑誌
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放牧乳牛に用いたペルメトリン含有耳標 (イヤータッグ) からのペルメトリンの減少
岸 善明永井 昌子小林 英明鈴木 翼椿洋 洋一郎
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1991 年 44 巻 3 号 p. 211-215

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抄録

1988年4月から10月に栃木県下のD, HおよびK乳用牛放牧場に放牧した牛416頭の両耳に, ペルメトリンを15%(w/w) 含有する合成樹脂製の耳標 (イヤータッグ) を入牧から収牧まで約6カ月間装着した.各牧場の1群から毎月1~2回ずつイヤータッグを回収し, そのペルメトリン量および重量を測定し, 次のような成績を得た.
1. イヤータッグのペルメトリン含有量および重量とも装着後約4カ月まではほぼ一定して減少したが, その後は減少率が低下した.1枚のイヤータッグから放牧期間中に消失したペルメトリン量は, 900mg (1日平均5.5mg) であった.
2. イヤータッグの装着日数とペルメトリン含有量を回帰分析して得られた回帰式から, 装着された1枚のイヤータッグから1日当たりに消失したペルメトリン量は, 装着後1カ月目は8925mg, 4ヵ月目は4.065mgで1カ月目の45.5%であるが.6カ月目は0.825mgと1カ月目の92%となった.

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