日本獣医師会雑誌
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マイクロプレートを用いた定量的蛍光DNA-DNAハイブリダイゼーション法によるStaphylococous hyiousの同定
仲嶺 マチ子伊波 寛侑河村 好章江崎 孝行
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1991 年 44 巻 3 号 p. 243-247

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抄録

生化学的性状検査によりStaphylococcus hyicusと推定されたが, 性状が基準株と完全に一致せず確定が困難であった豚および牛からの野外分離株7株をマイクロプレートを使用した定量的蛍光DNA-DNAハイブリダイゼーション法で同定した. その同定結果を, 生化学的性状検査に基づく従来法および簡易同定キット (APISTAPH) により得られた結果と比較した. 供試菌は従来法では7株中3株がS. hyicusと同定され, 残り4株は同定不能であった. 簡易同定法では7株中5株がS. hyicusと同定され, 残り2株はS. hyicus以外の複数の菌種名が与えられた. いっぽう, 定量的蛍光DNA-DNAハイブリダイゼーション法ではすべての供試菌が明瞭にS. hyicusと同定された. この同定法は細菌集落からの釣菌後4時間で完了した. 以上のことから, 定量的蛍光DNA-DNAハイブリダイゼーション法は定型的性状を示さないS. hyicusの同定に有効な正確かっ迅速な同定法であると考えられる.

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