日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
Clostridium perfringens C型菌による新生豚の壊死性腸炎
大沼 裕近藤 博斎野 仁田口 雅持大野 明松田 敬司
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 45 巻 10 号 p. 738-741

詳細
抄録

1990年2月, 北海道石狩管内の養豚場で, 1腹の生後2-3日齢の新生豚13頭に血便を呈し衰弱, 急死する疾病が発生した. 病性鑑定を実施した10頭の剖検では小腸の充出血が著しく, 病理組織検査では小腸の粘膜組織の壊死と出血が認められた. 腸管内からの毒素の証明はマウス接種により行い, C. perfringens A型抗毒素血清では中和されない毒素が認あられた. 細菌検査では小腸からC. perfringensが108-109/g分離され, 抗毒素血清による型別を行った結果C型菌と判定された. これらの成績からC. Perfringens C型菌による壊死性腸炎と診断した. 発生した新生豚の母豚からはC.perfringens C型菌は分離されず, 同居の繁殖豚4頭中1頭の糞便からC型菌が分離された.

著者関連情報
© 社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top