1994 年 47 巻 2 号 p. 123-127
日本猫51例の単純X線フィルムについて, 椎骨数ならびに頸椎・胸部構造・腎陰影の3部位などを計測して基準値の設定を試みた. 脊柱管の高さと後頭骨~C1幅の比は1: 0.61, 脊柱管の高さとC1~C2最小距離の比は1: 0.19であった. 気管・胸大動脈・後大静脈の太さはほぼ等しく, 肺静脈・肺動脈の太さは第8~ 第10肋骨の最も細い部位にほぼ等しかった. 日本猫は米国産雑種猫に比べ胸郭の深いことが特徴的であった. 腹部VD像における第2腰椎縦軸と左右腎陰影長径との比はそれぞれ1: 2.38および1: 2.49で, 第2腰椎横径と左右腎短径との比はそれぞれ1: 3.03および1: 3.05であった化側面像では, 第2腰椎長径と左右腎の長径との比は1: 2.39, 第2腰椎短径と左右腎短径との比はそれぞれ1: 5.20および1: 5.25であった.