日本獣医師会雑誌
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Sarcocystis arieticanisスポロシストのめん羊に対する病原性
斉藤 守弘柴田 穣久保 正法板垣 博
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キーワード: Sarcocystis症, めん羊
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1998 年 51 巻 12 号 p. 752-755

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抄録

犬の糞便から採取後3ヵ月保存したSarcocystis arieticanisのスポロシスト1×107個をめん羊2頭に経口投与したところ, 投与後14日および26日に発熱が認められ, 第2回の発熱時には食欲廃絶, 呼吸・脈拍数の増加がみられた. 投与後16日の剖検例では, 腸間膜リンパ節の水腫性腫大のほかは著変が認められなかったが, 腸間膜および腸間膜リンパ節に第1代シゾント (14~44×12~20μm) が認められた.投与後30日の剖検例では胸水, 腹水および心嚢水が増量し, 斑状または点状出血が全身臓器に認められ, 病理組織学的に出血と単核細胞浸潤がみられ, 全身小血管の内皮細胞に第2代シゾント (10~25×6~14μm) がみられた

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