日本獣医師会雑誌
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牛腎由来株化細胞を用いた牛ウイルス性下痢ウイルスのウイルス分離法および抗体検査法
齋藤 俊哉山口 修深井 克彦
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キーワード: BVDV, CPE, MDBK-SY細胞
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2003 年 56 巻 11 号 p. 717-721

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抄録

従来, 牛ウイルス性下痢ウイルス (BVDV) の培養細胞を用いた検査は, 牛胎子筋肉 (BFM) 等を用いて, 細胞病原性 (CP) 型は細胞変性効果 (CPE) を指標に, CPEを示さない非細胞病原性 (NCP) 型は干渉法で実施されている. 今回, 牛腎由来株化 (MDBK-SY) 細胞が従来のCP型, NCP型ともにCPEを示す特性を利用したBVDV検査法を検討した. MDBK-SY細胞で野外材料4例から4株のBVDVを分離した. これら4株は, BFM細胞では, CP型1株, NCP型3株に分類された. また, 野外血清155例と既知のBVDV・Nose株, No.12株およびKS86-1NCP株による中和試験を, MDBK-SY細胞とBFM細胞で比較したところ, 有意な相関が認められた. 以上の成績から, MDBK-SY細胞のBVDV検査における有用性が確認された.

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