抄録
牛ウイルス性下痢ウイルス (BVDV) 持続感染 (PI) 牛の新しい簡易診断法として, 被検血清からのウイルス分離結果を牛腎由来株化細胞MDBK-SYにおける非細胞病原性BVDV感染に特有の細胞変性効果 (CPE) を指標に判定する方法を検討した.96ウェルマイクロプレートに, 被検血清0.01mlと細胞浮遊液0.19mlを接種し, CPEを指標に判定した.BVDV感染価が102.5~105.1 TCID50/mlのPI牛血清19検体は, 接種5日後にCPEを示した. 野外試験に用いた1, 510検体では, 3検体が接種5日目にCPE陽性, その他の検体は陰性と判定することができた. 本法は, 被検血清と細胞を同時接種するだけの簡単なもので, 作業の省力化と同時に, 高価な牛胎子血清も不要であることからコスト低減が図られ, 多検体からのPI牛摘発に有用であった.